遺言の効力
遺言者が要件に従って遺言を残しても、当然に遺言が有効になるわけではありません。遺言を残すときは遺言者の遺言能力の有無が問題になります。

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遺言能力

遺言制度は、遺言者の意思を尊重しようとするものですので、遺言者が遺言事項に関して適正に判断する能力をもっていることが必要になります。

民法は、「遺言能力について満15歳以上であれば有効な遺言ができるとし、また、遺言に行為能力の規定は適用しない」としています。
すなわち、遺言者が満15歳未満の場合は、すべて無効ということになります。


遺言の撤回

有効な遺言を作成しても、その遺言の効力が発生(遺言者の死亡時)するまでの期間で、遺言者の意思が変わることもあります。
このような場合には、遺言者はいつでも遺言の全部または一部を自由に撤回することが出来ます。
遺言で「この遺言は絶対撤回しない」と書いていても、撤回は自由に

撤回する権利を予め放棄することは認められていないので、たとえ遺言で「この遺言は絶対撤回しない」と書いていても無意味なことになります。

撤回は、新たに遺言を作成する場合のほか、つぎのような場合には、撤回があったものとみなされます。

@ 前の遺言と抵触する遺言がなされると、抵触する部分
A 遺言に抵触する贈与などがされた場合も@と同様
B 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、破棄した部分
C 遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときもBと同様


遺言撤回の失効

いったん撤回した遺言は、原則として復活はしません。
例外として、詐欺又は強迫を理由に取り消された場合は、撤回された遺言が復活します。

また、判例(最判平成9.11.13)では、遺言者が遺言を撤回する遺言を別の遺言で撤回した場合、遺言者の意思が当初の遺言の復活を希望することが明らかな場合は、当初の遺言の効力が復活するとしています。


遺言の無効・取消し

遺言が無効とされる場合
@ 被後見人が後見終了前に、後見人またはその配偶者もしくは直系卑属の利益となる遺言をした場合。ただし、後見人が直系血族、配偶者または兄弟姉妹のときは無効とならない。
A 遺言方式を欠いた遺言
B 遺言無能力者のした遺言
C 共同遺言
D 公序良俗に反する内容の遺言

遺言の取消し
詐欺または強迫による遺言は、遺言者は取り消すことができます。
この取消権は、相続人に相続されます。



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